種牡馬血統分析 エピファネイア 産駒の特徴・傾向を分析 持続型ラップ得意のわかりやすい種牡馬
今日は種牡馬エピファネイアにフォーカス。走る傾向がわかりやすいのでPOGでは積極的に狙ってもいいと思う。
目次
エピファネイアのプロフィール
父 シンボリクリスエス
父はシンボリクリスエス 通称ボリクリといわれた種牡馬。現役時代はGⅠ4勝。天皇賞秋2勝・有馬記念2勝。丈夫でアベレージ型・芝もダートもこなせる短距離から長距離までバラエティに富んだ産駒を出した。代表産駒はエピファネイア サンカルロ ストロングリターン アルフレード ルヴァンスレーヴなど。産駒の傾向としてサンデー系種牡馬と比較して瞬発力に劣る面があり、勝ちきれないレースをみせることも多い。
母 シーザリオ
母はシーザリオ 現役時代はGⅠ2勝 オークス アメリカンオークス。現役時代の強さも光るが、繁殖牝馬として超優秀。エピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアの3頭のGⅠ馬を輩出。娘ロザリンドの子にオーソリティがいるなど代を経ても影響力がある。
エピファネイアの競争成績
通算成績 14戦6勝 菊花賞 JC勝ち
エピファネイアは現役時代も活躍。三冠レースは皐月賞2着 ダービー2着 菊花賞1着 ほかにJC勝ち。
シンボリクリスエス産駒らしく ここ一番2着となることが多かった。身体能力の高さは疑いないが、少々気が弱くもまれる形や競り合いには弱かった。
エピファネイアの勝ちパターン
先行して抜け出すのが勝ちパターン 高速上がりのレースよりもやや上がりのかかるレースの方が得意。
12.8 – 11.2 – 12.0 – 11.9 – 11.7 – 12.2 – 11.9 – 11.8 – 12.4 – 11.9 – 11.5 – 11.8の超持続力LAPのJCを楽勝している
勝つときは鮮やかに、負ける時は惜敗 そんなイメージの最たるものがこのジャパンカップ。早めに抜け出したら後は独走しているのである。
一方スローの上がり勝負の有馬記念 こちらは道中2番手から5着に惨敗している
LAP7.0 – 11.8 – 12.3 – 12.6 – 12.5 – 13.6 – 13.2 – 13.0 – 12.3 – 12.4 – 11.5 – 11.2 – 11.9
エピファネイアの血統構造
エピファネイア自身の血統構造
エピファネイア自身は母シーザリオの特徴 Northern Dancer とTurn-toのうちTurn-toのクロスをより強調した配合であった。父シンボリクリスエスはHail to Reasonのクロスを持ちその祖父Royal Chargerもクロスしている。そのためエピファネイア内でHail to Reason Turn-to Royal Charger Nearco Pharosと何代にもわたるラインクロスが発生していた。また、シンボリクリスエスはNorthern Dancerを持たないのでHail to Reason強調は明確で走る馬の条件がしっかりできていた配合だった。
エピファネイア産駒の血統構造
エピファネイアをランダムに配合した場合 産駒はNorthern Dancerが高確率でクロスする。しかも産駒の血統表5代目という高い位置でクロスすることになりHail to Reasonと同じ位置になる。こうなると強調している血の明確さが薄れ、ずぶい産駒が産まれやすい。ところが、Hail to ReasonとNorthern Dancerを両方含むSadler’s Wellsをクロスさせることでこの問題は解決するのである。
エピファネイアの種牡馬成績
2017年産 世代別順位3位 代表産駒 デアリングタクト
2018年産 世代別順位3位 代表産駒 エフフォーリア
2019年産 世代別順位4位 代表産駒 サークルオブライフ
エピファネイア産駒の傾向
代表産駒
デアリングタクト(牝馬三冠) エフフォーリア(皐月賞・天皇賞秋)アリストテレス(AJCC)
走る産駒と走らない産駒の差は大きいが、当たるとデカい。
エピファネイア産駒の傾向
持続力ラップが得意。典型例がエフフォーリアの皐月賞 3馬身差の楽勝だったがこのときのラップ
12.1 – 11.7 – 12.5 – 11.9 – 12.1 – 11.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 12.6 ゆるみのない厳しいラップで最後はみんな止まっている
芝・ダート 得意な距離
圧倒的に芝向き 距離は1600 2000以上が得意
得意なコース
中京コースでの成績は非常に優秀
エピファネイア母父ごとの相性
母父ディープインパクト
アリストテレス・オーソクレース・ムジカが出ており一見相性はよいように見えるが、実はそうでもない。2018年までに42頭が血統登録 オープンで活躍したのは上述の3頭。この3頭にはSadler’s Wellsのクロスがあり相性がよいのはSadler’s Wellsでディープインパクトではないといいきれるほどの成績。
Sadler’s Wells内には母方にHail to Reasonがあるためこの血をクロスするとNorthern DancerとメインクロスのHail to Reasonがつながり血の結合が大幅にアップする
母父キングカメハメハ
デアリングタクトを輩出 血統構成上は非常に相性がよいのであるが重すぎと思われる。ほとんどのキングカメハメハ産駒はサンデーサイレンスの血を持つのでHail to Reasonの血の強調は明確。Sadler’s Wellsのニアリー関係にあるNureyevを含むためHail to ReasonとNorthern Dancerは結合されるのであるが、今のところ目立った活躍馬はデアリングタクトだけなのが気がかり。Nijinskyもクロスするので日本では重すぎる血統構成なのかもしれない。
母父アグネスタキオン
母父までの組み合わせの場合Northern DancerがクロスしないのでサンデーサイレンスクロスとHail to Reasonで強調される血は明確になる。母母方の傾向次第で良駒も期待できる
POGで狙うべき エピファネイア産駒
はっきりと相性がいいのは母がディープインパクト産駒であって、Sadler’s Wellsを持つ馬である。この馬がいたらしっかりと狙っていきたい。
母父アグネスタキオンで母母方にNorthern Dancerを含まないRoberto系などを持ってくる。
またHaloクロス持ちでサンデーサイレンス系母父種牡馬は相性がいい。例えばヴィクトワールピサなど。母父ヴィクトワールピサ産駒には新馬勝ちしたクラウンドマジックがいる。
エフフォーリアのようにNorthern Dancerを経由しないNearcticを持っている馬は要注意