サトノクラウン 血統構成からみる産駒の傾向

サトノクラウン産駒の傾向を血統構成中心に分析
現状ではダービー馬を出して成功のように見えるが、勝ち上がり率が2割、重賞勝ち馬がタスティエーラ以外に出ない状況で大変苦しい。スピード不足は明白。
活路は母方にノーザンテーストの血

目次

サトノクラウンのプロフィール

父Marju

父Marjuは英国で走り セントジェームスパレスS(1600m)1着 英ダービー2着の競争成績
種牡馬としてはインディジェナス ソヴィエトソングなどのGⅠ勝ち馬を多数輩出

母ジョコンダⅡ

母ジョコンダⅡはアイルランドからの輸入牝馬 アイルランドでサトノクラウンの全姉ライトニングパール(チェヴァリーパークステークス)を産んだ後、輸入され持ち込み馬としてサトノクラウンを産んだ。

サトノクラウンの競争成績

年齢別成績

通算成績 20戦7勝
2歳時成績 2戦2勝 東京スポーツ杯2歳S
3歳時成績 4戦1勝 弥生賞
4歳時成績 5戦2勝 京都記念 香港ヴァーズ
5歳時成績 6戦2勝 京都記念 宝塚記念 天皇賞(秋)2着
6歳時成績 3戦0勝

代表レース 宝塚記念

LAP 12.5 – 11.1 – 11.6 – 13.1 – 12.3 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 12.2

向こう正面からずっと早いラップが続くいかにも阪神内回りというレース。キタサンブラックが終始ちぐはぐなレースをしていたとはいえ、この長い長い持続ラップを完勝。しかも稍重の馬場にもかかわらず最後の坂1Fを12.2秒をまとめきった。

サトノクラウンの競争馬としての特徴

距離 芝・ダートについて

1800~2500mまでの芝レースを使われ1800~2400mのレースで勝利している。
ダートの経験はなし。

馬場について

国内の競馬場での良馬場成績 10戦2勝 2歳時の2勝のみ
国内の競馬場でのやや重以下馬場悪化時の成績 7戦4勝
馬場が悪化した方が成績がよいのが顕著に出ている。

海外競馬の成績
香港シャティン競馬場 2戦1勝
ドバイメイダン競馬場 1戦0勝
馬場の重いシャティン競馬場で勝ち星がある。馬場が軽いことで有名なメイダン競馬場では惨敗

脚質について

追い込みを見せたこともあるが、基本的には前目につけてロングスパート合戦を押し切るタイプ。持続力のある末脚が魅力。

サトノクラウンの種牡馬としての特徴

サトノクラウン産駒成績

20年産 3歳終了時 世代別9位 勝ち馬率・222 アーニングインデックス1.46 
     重賞勝ち馬 タスティエーラ 日本ダービー
21年産 2歳終了時 世代別39位
     目立った活躍馬はなし

サトノクラウン産駒の特徴

サトノクラウン 芝/ダート

2023年末時点 芝25勝 ダート9勝と 完全に芝向きの様相

サトノクラウン 距離適性

2023年末時点 20年産に限定した成績で評価(2歳戦は短距離指向が強く出てしまうため)
芝平均勝ち距離 1772m ダート平均勝ち距離1842m
古馬混合戦の勝ち鞍 芝2勝 2000m 2400m
          ダート2勝 2100m 2100m
かなりのスピード不足を露呈してしまっている結果となっている

サトノクラウンの血統

サトノクラウンの血統解説

最優位クロスはNorthern Dancer4×5 次いでBuckpasserの5×5で父方トライマイベストを強調した配合。トライマイベストの母Sex AppealはHyperion系×War Admiral系であり ここもしっかりとクロスされており、強調された血は明確。トライマイベスト、Elgrand Senorの全兄弟はBuckpasserのスタミナを取り込んだ配合で軽いスピードというよりはパワーとスピードの持続力で勝負するタイプであるため、明確な軽快なスピード源が欲しい。
現代日本競馬で簡単に手に入る軽快なスピードはAlmahmoudである。サトノクラウンの母方にあるSir IvorのクロスにHaloが絡んでAlmahmoudとつながったことで連動が取れた配合。と言いたいところであるがサトノクラウンの配合においてこれにはケチがつく。母方からHaloのスピードを注力したいところであるが、父方に対し母方の世代が新しすぎるという問題があった。Haloは母の母方7代目に位置するためその祖母Almahmoudは9代目まで下がる。父方Almahmoudは6代目に存在し3世代の差が発生しており、Almahmoudのスピードの取り込みは不十分であった可能性が高い。上位でのスピード勝負は分が悪く、消耗戦に向いたスタミナよりの配合であると言っていいだろう。
また生涯走ることはなかったがBuckpasserの影響からダートのレースでも活躍できたと思われる。

種牡馬サトノクラウンの血統からみる産駒予想

種牡馬となったサトノクラウンの血統表内でもっともクロスしやすいのはNorthern Dancer Mr.Prospectorであろう。これが産駒内では5代目に位置するためどちらかを強調する配合の方がいいだろう。多くの繁殖牝馬はNorthern Dancerを持っていること、日本ではサンデーサイレンスの血をもつ牝馬が多いことから、Mr.Prospectorは持たない方が強調された血がNorthern Dancerではっきりとするため活躍しやすい傾向が出ると思われる。母父としてはサンデーサイレンスの子が母父となった場合はHaloは4代目 Almahmoudは6代目に位置するためにNorthern Dancerをクロスさせるとちょうどよい配置となることが多いと思われる。

瞬発力に難があること スピードの血が不足していることから勝ち上がりに難する馬が多く出ると思われる。
勝ち上がった馬は距離が持つことが予想される

注目の母父はキングカメハメハ

一発夢のある産駒を狙うのであれば、キングカメハメハを持つ牝馬を狙ってみるのは面白いはず。トライマイベストを継続クロスさせつつ、NijinskyなどBuckpasserと相性のよい血を持つため芝の中長距離までこなせる産駒が出現する可能性は高い。2歳第1週の新馬戦にクラックオブドーンが新馬勝ち

瞬発力を補うために

一方でサトノクラウンには少し足りなかった瞬発力を補うためには、サンデーサイレンスのクロスを持つ牝馬の産駒が面白い。Sir Ivorの母内クロスを持つサトノクラウンにはHail to Reasonの血をどんどん入れTurn-toを活性化させてやった方がよい。母父キングヘイローでSir Ivor Droneを補うのは大あり

サトノクラウンとの相性の良い実績のある血

23年末までの成績で ノーザンテースト≒ViceRegent を持つ牝馬との相性がよいようで 賞金額上位4傑までを占めている。
2歳短距離でスピードをみせているレガテアドールも母父アドマイヤマックスであり、ノーザンテーストを持っている。
母方に高確率であるサンデーサイレンス内Haloとの呼応によってスピード強化されていると読み解ける。

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